［売り手企業　Ａ社］
　新潟県内の中堅タクシー会社。長年地域で利用され評判が良く固定客もありました。相談時の社長様は59歳。業界全体が低迷している状況下でも、しっかりと経営を安定させてこられました。しかし厳しい経営環境が続く業界への不安と後継者不在もあり、ドライバーを含む従業員の雇用を維持していくにはどうしたらいいだろうかと考え、当社に相談に来られました。
当社は、同地域のタクシー会社への引き継ぎも検討しましたが、やはり厳しい経営環境下では、なかなか引き受ける会社を見つけることは難しいと判断し、エリアを限定せず広い地域で引き受け候補先を探していきました。
社長様は従業員の雇用の安定と引き続き地域へ貢献できる会社への引き継ぎを希望し、候補先企業と話し合いを進め、譲渡を決断されました。

［買い手企業　Ｂ社］
　同業であらゆる地域でタクシー会社を運営しており、Ｍ＆Ａの実績も数多くある大手企業が譲り受けをしました。Ｂ社は今まで進出できていなかったＡ社の地域へ進出できるというメリットがありました。
Ｂ社はタクシー業界の状況やドライバーへの配慮も良く熟知しておりスムーズな引き継ぎが出来ました。従業員も今まで以上に安定したグループ企業の傘下となったことで安心して業務をしています。

［マッチング成約のポイント］
　Ａ社の社長様が早めに相談に来られ、早期に譲渡する意思を決断したことが最大の成功ポイントだと思います。よくある事例で、後継者不在であるにもかかわらず自分がまだ元気だから大丈夫と問題を先送りにする社長様がいらっしゃいます。その場合の多くは好条件での譲渡時期を逃し、引き受け先を見つけることが困難になることがあります。
今回の社長様は、自分がやれるやれないではなく、会社の将来や従業員のことを考えた早めの判断だったため、引き受けニーズのあるタイミングを逃さずＭ＆Ａで良い相手に譲渡することが出来ました。