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2020.06.08

長年お客様の気持ちを大切にしてきたお花屋さん

誰かに喜びを伝えたい、気持ちを慰めたい、あるいは、そっと癒しを届けたい、こうしたお客様の様々な気持ちに寄り添って花束を作ってきた花屋さんが取り組んだ事業承継。

起業した頃はバブルがはじけ2年目まで赤字経営でしたが、経営学を学ぶなど、地道に経営に取り組んだおかげで徐々に経営は軌道に乗っていきました。インターネット黎明期の1999年には、手探り状態のなかでお花のインターネット販売を開始。お客様一人ひとりに、丁寧で繊細なお花を全国に届ける当社は、着実にリピーターを増やしていき、様々なお客様との出会いがあったといいます。

小規模とはいえ、丁寧で真摯な対応が評判を呼び会社の経営は順調でした。しかし、お父様の介護をきっかけに、70歳になったらリタイアしようと社長様は考えられたそうです。

「社員が増えた後の定着率も良く、店舗販売とインターネット販売を仲間と共に切り盛りしてきて、まだまだ元気だと思っていました。しかし、ふと自分の将来を考えなおしたとき、リタイアするにあたって私のなかには親族承継、社員承継、第3者承継、もしくは廃業というカードがありました。

長女が社員として働いていましたが後継者になることは考えていなかったようで、社員に跡を継ぎたいという人はいませんでした。そこで、『せっかく立ち上げた会社、廃業せずに済む方法があるならば』と、M&Aを視野に入れるようになったのです」。

その後、M&Aの知識を深めようと関連書籍を読み、M&Aの専門家に依頼することにしました。
すると早速、マッチングの電話連絡があり、買い手となるEC販売業の社長様とのトップ面談を行ったそうです。

「トップ面談は喫茶店で行ったのですが、買い手社長様にお会いした時の印象は誠実そうで、とても気を遣う人だなと感じました。屋号を残すことはこだわっていなかったのですが、社長様の考えはそのままにして、社員にも楽しく働いてもらえるようにとの気遣いを感じられ、嬉しかったです。この方なら安心して引き継げると思ったので、懸念はなく、その場で決まりました」。

買い手となる会社様は同じくインターネット販売を行っている小売業の経営者です。当社のお花を作って売るノウハウを、事業の成長のために取り入れたいという意向がありました。

成約するまでの期間はおよそ半年。成約式が無事行われ、事業承継が完了しました。M&A後も社員が今まで通り楽しく働くことができているのを見てホッとしたそうですが、一方で、あっという間に会社が自分から離れてしまったことに喪失感を感じてしまったそうです。

「自分が育ててきた会社ですから、こんなにスムーズにお話しが進むとは当初思っておらず、M&A直後は情熱を傾けられるものがなくなってしまい喪失感から抜け出せませんでした。でも、譲渡後も社員は引き続き働けて、買い手社長様のもと新たに若返ることができたので、やはり譲渡してよかったと思っています」。

実は、売り手企業の譲渡がスムーズに進行した理由には、売り手社長様が5年前から少しずつ財務諸表にある無駄の棚卸をして、準備を始めていたという経緯があります。会社をクリアにしたうえで、会社を譲受してもらおうという、潔い意思を感じます。現在、売り手の元社長様は早速、自分が情熱を注ぐことができる新たなライフワークを見つけ、挑戦をはじめているといいます。

M&A仲介担当者のコメント
 私は、売り手社長様が、長年に渡り「お客様」や「従業員」のことを考え経営をされていたことをお会いしてすぐに感じ取れました。会社を譲渡するにあたり、その辺を大切にしてくれる経営者に譲渡したいという意思が明確であったことや、譲渡する何年も前から準備をしていたことがスムーズに成約に至った要因だと思います。また、譲り受けた会社の社長様も、そんな売り手社長様の思いや、今までやってきたことを尊重してお話合いをされていたことも大きかったと思います。
人を大切にするという面でお互いの考えが一致し、又、商品やサービスも相乗効果が期待できますので、これから両社が同じ方向を向いて更に発展していくことと思います。
 売り手元社長様においては、これからも多方面でご活躍されることと思います。今後の人生がますます充実することを祈念しております。

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